第93回 私の仕事は「フィットネスインストラクター」です。
説得力ある指導とは
私の仕事は「フィットネスインストラクター」です。
安田 茂(やすだ しげる)
仕事歴 12年
私はフリーインストラクターとして「健康でイキイキ生活するための体づくり」をテーマに、七尾市、中能登町、氷見市、南砺市のスポーツ施設で主にエアロビクス教室を中心に健康指導を行っています。
見失った個性
「オシャレなダンスを求めていないので、泥臭くていいからエアロビクスをしっかり指導してほしい」と言われハッとしました。レッスンを終え生徒に感想を聞いた時の事です。自分のレッスンはこれだ!と言い切る自信の無さが見抜かれたのだと思います。エアロビクスは1970年代にブームになり、時代と共に求められる内容も変化しています。
最近はダンスブームでその要素や体操競技の要素も取り入れる傾向にあります。そこにブレが生じていたのです。その時は自分自身も楽しさを感じれず、生徒さんも減っていきました。そんな時に私の原点、スポーツエアロビックに救われたのです。
エアロビックとの出会い
私は珠洲市出身です。高校生の時に進路を自衛隊に決め、体を鍛えようと珠洲ビーチホテルのスポークラブに通いました。その時にインストラクターの親切丁寧な指導、さわやかな接客、引締まったボディー、全てに魅力を感じ憧れたのです。自衛隊に入隊しますが20歳の時、夢が諦めきれず富山健康科学専門学校へ入学しインストラクターコースを専攻しました。オリエンテーションで先輩によるエアロビックのデモンストレーションがあり、その躍動する姿に一瞬に心を掴まれたのです(笑)。
早速エアロビックダンス部に入ります。部活の一環として競技大会に出場するので体力、筋力のアップ、ステップの基本など真剣に取組みました。部活で指導するインストラクターはフリーランスの方でフィットネスの大きなイベント会場で大勢の観客の前でリードインストラクターをやっていました。その指導力や人間性に憧れた私は将来フリーインストラクターとして仕事をしようと決め、6年間経験を積み29歳でフリーの道を歩み始めます。
競技大会にて
全日本総合エアロビック選手権出場
恥ずかしいのですが、健康な体づくりを指導しているのに関わらず肺炎で2週間入院したことがありました。フリーランスは実力主義で給料も歩合制です。インフルエンザが治りかけた時少し無理をして復帰したことが原因でした。説得力のある指導者として失格です。それ以来徹底した自己管理と自分自身がアスリートとして現役を貫く事を決意しました。
5年前にアマチュアの全日本エアロビックコンテスト男子シングル部門で優勝し、以来プロの全国大会出場を目指し挑戦しますが中部地区大会まででした。今年こそはと挑んだ6月24日の富山オープンで優勝し、念願の全日本総合エアロビック選手権大会に出場が決まりました。7m四方のエリアで曲に合わせて力強さ、粘り、ジャンプ、柔軟性を取り入れた動きをエアロビック動作として1分25秒で演技します。審査はフィギアスケートと同じく技術と表現が点数化されます。
私は公認エアロビック指導員としての誇りを持ちながらも、他分野のインストラクターのレッスンを月1回は体験しています。「これが私のレッスンだ」と言い切り、説得力ある指導をする上で必要だと思うからです。60歳までステージに立ち続け、スタジオだけでなくパーソナルトレーナーとしての知識も身につけてフィットネス業界で長く活動したいと思います。
これもレッスン?!