第33回 「輝け!郷土の星」書道の芳岡 真穂さん (七尾高校3年)
石川県代表で全国高等学校総合文化祭
えっ!なんで私が?真穂さん自身が一番驚いたそうです。昨年10月の能登地区高校美術展に出展した作品が最優秀賞に選ばれました。今年8月長野県松本市で開催される全国高校総文祭書道部門には石川県3名の出展があります。この選考は石川県高等学校総合文化祭や県内各地区の美術展などでの最優秀賞作品が集められ審査されます。
昨年11月の選考会で見事に真穂さんの作品が選ばれ出展が決まりました。しかし真穂さんは、金沢の高校生で上手な作品が沢山あったのに、なんで自分が選ばれたかわからないと言います。本当に自分で良いのかとの不安と、責任重大な県代表という使命感が交錯しながらも、全国総文祭に向けての練習が始まりました。
七尾高校書道部
創部5年目、現在15名の女子生徒が練習に励み、毎年学園祭では大きな筆で書き上げる書道パフォーマンスが有名になった七高書道部です。書道は個人で完結する世界ですが、この書道パフォーマンスは部員でプランを練り、役割を決め、全員で取組むので部に一体感が出るといいます。
真穂さんは高校入学してから本格的に書道を始め、楷書、行書、草書、篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)という漢字書体の中で、なぜか隷書体に惹かれたと言います。和気藹々の教室で指導に当たるのは、部員から師匠と慕われる僧侶で書家の三藤観映さんです。創部以来指導を続ける三藤先生は、真穂さんの作品は彼女のこだわらず、動じない性格が作品に大らかさとして現れていると話します。そして隷書体もどきの作品が多い中、真穂さんの隷書体は基本がしっかり出来ていて、一文字一文字をきちっと捉えているので、そこを審査員が評価しているのだと教えてくれました。
最優秀賞
姉の存在
中学では剣道で活躍し初段の腕前を持つ真穂さんが、書道部に入部したキッカケは2つ歳上の姉が美術部で活躍していたからです。入学した年、姉がデッサンで全国総文祭に選ばれていたのです。小さい頃から慕っている姉のそんな姿を追い、今度は自分も文化部で頑張って見たいと思ったのでした。現在お姉さんは筑波大学で日本画を専攻しています。姉の才能をべた褒する真穂さんは本当にお姉さんの事が大好きのようです。
そんな二人が育った環境には祖父の影響も大きいようです。祖父は住職で仕事がら、書に親しんでおり、小さい時から何気に祖父の書く字を見て素敵だなぁと感じていたと言います。知らず知らずに導かれていたのでしょうか。世の中に偶然は無く全てが必然だとするならば、全国総文祭の出展は真穂さんに与えられた使命だったように思います。
部分的に難しい所がある隷書も数をこなすことで慣れてきて、理解が深まり上達が実感できると、楽しくなってきたという真穂さん。全国総文祭には各都道府県から選抜された楷行草篆隷や仮名など約300点が出展されます。選ばれた時は、ひたすらビックリ!していたという真穂さんの、研ぎ澄まされた感性と技の集大成を見守りたいと思います。
書道ガールズ